女性の平均的な閉経時期は50歳前後、
その前後あわせた10年を更年期、 更年期の前段階で、女性ホルモンが減少しだす時期を、プレ更年期とよびます。
女性ホルモンの分泌が減ることにより、
深刻な冷えやほてり、のぼせ、動機やめまい、不眠、肩こりや頭痛、心の不安定さ、疲れ、頻尿、物忘れ、疲れ、など、多くのかたが更年期症状に悩む時期です。
☆更年期を迎える女性が100人いるとき、
・「更年期症状」を自覚する女性は50-60人
・「更年期障害」で治療を要する女性は30人
約3人に1人は、本当は治療が必要なほどの状況です。
更年期についてはこちらに詳しく書いています。
前提として、症状がつらいかたは婦人科の受診をおすすめしますが、 自分でできるセルフケアの一つとしては、ヨガがおすすめです。
■更年期症状を緩和するためには、基本の生活習慣を整えることが大事
栄養バランスのよい食事、適度な運動、良質な睡眠、メンタルのケア。
健康には基本的な生活習慣が大切ということは、多くのかたがご存じのことと思います。
わかってはいても、なかなかスムーズにいかなかったりしますよね。
更年期症状についての研究結果には、「継続的な運動により、更年期症状が72%の女性で改善した」というデータがあります。
72%って、大きいですよね。
適度な運動は血糖値や血圧を下げ、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすため、閉経後にリスクが高まる高血圧症や動脈硬化、糖尿病などの予防効果が期待できます。
ヨガは適度な運動としても有能ですし、それ以外にも恩恵が多いものです。
ヨガのよいところは、運動効果だけでなく、
呼吸法や瞑想が合わさることによってストレス発散効果が高いこと、
心や脳にも作用する点です。
また、長い目でみると、栄養バランスのよい食事、良質な睡眠、メンタルケアをサポートするものになり得ます。
■更年期の不調の多くに、ヨガが大きく力を発揮します
(母とわたしです、、、)
💜ヨガを続けていると、自分で整体ができるようになります。
正しいからだの使いかたがわかるようになる、姿勢が整う、筋力がほぐれ血流がよくなることで、更年期症状としてみられる、肩こりや腰痛などの痛みの軽減に役立ちます。
💛ヨガのポーズや呼吸法は自律神経バランスを整えます。
今の呼吸はどんな状態でしょうか。
吸った空気はどのあたりまで届いているでしょうか。
忙しいかたや、休むのが苦手なかたは、のどや鎖骨のあたりまでの浅い呼吸、
もしくは人によってほとんど呼吸をしていないかもしれません。
緊張状態が慢性的になり、交感神経ばかりが働いているサインです。
ヨガのゆったりとした呼吸は、副交感神経を優位にさせ、自律神経を整えます。
ヨガの呼吸法により、脳の中にある神経伝達物質の一つギャバが活発化することで、自律神経バランスが整うとの科学的根拠も報告されています。
また、ヨガのクラスの中では筋力を使うヨガポーズのときには交感神経が、そのあとお休みがはいるので副交感神経が優位にと、交感神経と副交感神経が交互に働くことで自律神経バランスをフラットにします。
更年期症状は自律神経のバランスが乱れからきているものが多いです。
更年期症状としてみられる、心の不安定さや抑うつ、深刻な冷えやほてり、のぼせ、動機やめまい、不眠など。
ヨガを続けることで自律神経のバランスが整い、リラックスしやすいからだをつくり、更年期症状の緩和につながります。
WAKABA YOGAのクラスでは、呼吸に意識を向けることを大切にしています。 また、交感神経と副交感神経のオンオフも意識したレッスンになるよう、デザインしています。
日常的に自分の呼吸で自律神経のバランスを整えていけるよう、一緒に練習していきましょう。
💚閉経後に高くなる骨粗しょう症リスクに備える
骨粗しょう症の研究では、運動やレジャーなどより活動的な生活をしている女性は、そうでない人に比べて股関節骨折が起こる可能性が36%低いことがわかっています。
閉経後の女性が筋力トレーニング(有酸素・無酸素どちらでもOK)を行うと、筋量、筋力、バランスを強化させるとともに、骨密度を維持するために効果的です。
ヨガのポーズも、適度な筋力トレーニングに当てはまるものが多くあります。
骨折がきっかけで寝たきりになることが高齢になると多いですよね。 なるべく早いうちから運動を続けることで、転倒しにくいからだをつくっていきましょう。
💙脳によい影響をもたらす瞑想
ヨガを行うときには、細やかな自分のからだの動きや呼吸に意識を向けるため、
脳は集中した状態に。余計な考えが浮かばない瞑想状態を、動きながらも体験しています。
またWAKABA YOGAではクラスの最後に静かに座って行う瞑想の時間も取り入れています。
瞑想状態にあるとき、脳は効率的に働き、脳の処理能力が上がり、記憶力や判断力が向上するという研究結果があります。
また、人は脳の25%しか使えていないと言われていますが、残りの75%を瞑想により活性化できることが、最近の研究で明らかになってきているようです。
女性ホルモン分泌の低下は、 記憶力や集中力の低下、アルツハイマー型認知症の発症にも関わりますが、瞑想を行うことで、 海馬の委縮を抑えることができる可能性も示されています。
あくまで可能性なのでアルツハイマー型認知症の予防になるとは言えないのですが、 瞑想が脳によい影響をもたらすことは明らかです。
■ヨガで自分を大切にする
人には1日に7000回も選択の機会が訪れるそうです。
ヨガを続けることで、その小さな一つ一つを丁寧に行っていけるようになります。
ヨガのポーズは、ただ筋力や柔軟性をあげるためだけに行うのではなく、
気持ちよく伸びるところや、ちょうどよく筋肉に負荷がかかるところを探すことを通じて、「自分のからだの声を聴く」練習をしています。
ヨガを続けていくと、自分のからだの声をキャッチできるようになっていき、
いずれはからだだけでなく、心の状態にも気づけるようになっていきます。
この気づきの力は、ヨガを行っているときだけでなく、日常生活でも活きるものです。
例えば「今日は背中が痛むな」とか、「からだが冷えているな」とか、
「一人で仕事を抱えすぎて余裕がなくなっているな」とか。
自分のからだと心の微細な状態に気づけるようになると、
「背中が痛むからゆっくりと湯船に浸かってみよう」とか、
「冷えているから生姜のスープを飲もう」とか、
「仕事を抱えすぎているから、明日は周りの人に手伝ってもらおう」とか、
自分に必要なものを選択していけるようになります。
これは、イコール自分のからだと心を愛することにつながると思います。
余談ですが、ヨガでスリムになるのは、運動効果としての結果だけでなく、 ヨガを続けてからだの声がわかるようになると、「もうこれくらいで十分」と感じたところで、食事を終えられる日が増えるからだと思います。
また、本当に自分に必要なものを選ぼうとすると、必然的に食事の質も高くなります。
私自身、食べ過ぎたり飲み過ぎたりすることもよく(頻繁に!)あるのですが、
それでも実感できることがあります。
ヨガの効果は、まだまだ科学的に証明されていないことも多いですが、
ヨガを続けている一人として、たくさんの効果を体感し、何度もヨガに救われてきました。
この感覚を大切に、WAKABA YOGAにくる皆さまと共有し、一緒にヨガを練習していきたいです。
人生100年時代と言われるこれからの時代、
ヨガを通して、自分のからだと心を大切に扱い、
なるべく長く健やかに生きていけたらいいですよね。
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